算数の文章題を解かせていると、「どうしてこんな見当違いの式を書くの?」「さっき図を描いたのに、なんで使わないの?」ともどかしく感じてしまうことはありませんか?
([第2回:式を立てる前にこれだけ!算数の文章題で最初に整理すべき「3つの情報」] では、いきなり式を書かずに「登場するもの・条件・問い」を整理する重要性をお伝えしました。)
【算数・文章題対策!全6回シリーズ】の第3回となる今回は、文章題が苦手なお子様に共通する「4つの失敗パターン」とその具体的な直し方について解説します。
お子様のつまずきは「才能がない」からではありません。どの手順が抜けているのか、パターンに当てはめて客観的に見ることで、具体的な解決策が見えてきます。
文章題が苦手な子の共通点。よくある失敗パターンと直し方
文章題が苦手な子には、いくつか共通する失敗パターンがあります。これは「頭が悪いから」でも「センスがないから」でもありません。多くの場合は、整理の手順が抜けているか、図や表を描く意味が曖昧なまま進んでいることが原因です。
ここをパターンとして見られるようになると、文章題はかなり立て直しやすくなります。逆に、「この子は文章題が苦手」とだけ捉えてしまうと、毎回同じミスを別の問題として処理することになり、改善が遅くなります。
大切なのは、失敗を反省で終わらせず、どう直すかを行動に落とすことです。ここでは、特に多い4つの失敗パターンを整理します。
数字だけ拾って、意味を整理しない
文章題が苦手な子の中で、かなり多いのがこのタイプです。問題文の中の数字には反応しているのに、その数字が何を表しているのかを整理しないまま式に入れてしまいます。
たとえば、次のような状態です。
- 「50」「20%」「3倍」などの数字は見えているが、基準が曖昧。
- 誰の量なのか、何の量なのかが整理できていない。
- 速さ・時間・道のりなど、単位の違いを意識せずに計算する。
このタイプの子は、数字を拾う力はあるので、一見すると「あと少し」でできそうに見えます。ただ、意味づけが抜けているため、少し条件が変わるとすぐに崩れます。
直し方として有効なのは、数字の横に必ず“何の数か”を書くことです。たとえば、「50円」「20%の割合」「3倍の関係」のように、数字だけを孤立させないようにします。問題文を箇条書きにして整理するのも効果的です。
文章題では、数字を見つけることが第一歩ではありますが、本当に大切なのは数字の意味を固定することです。ここが入るだけで、式のズレはかなり減ります。
まとめ/次の一手(ToDo 3つ)
- 今日:文章題を1問選び、出てきた数字の横に「何の数か」を書く(10分)。
- 今週:数字だけでなく、単位や基準量まで含めて整理する練習を2〜3問やる(30分)。
- 今月:文章題では「数字だけを見ない。意味まで書く」を家庭の共通ルールにする。
図は描くが、条件を書き込まない
図を描く習慣がある子でも、文章題が伸びないことがあります。このときよくあるのが、図は描いているのに、そこに条件が書き込まれていないケースです。
たとえば、線分図は描いたけれど比が書いていない、表は作ったけれど途中で変わる条件が入っていない、面積図を描いたけれど何が横で何が縦か曖昧、という状態です。
この図は、見た目には「ちゃんとやっている」ように見えます。ただ、整理の道具としては機能していません。なぜなら、図や表の役割は条件を見えるようにすることだからです。条件が入っていない図は、ただの飾りになってしまいます。
直し方としては、図を描いたら必ず次のどちらかを確認するのがおすすめです。
- 問題文の条件が全部図や表に移せているか。
- どの条件が変わるか、どこを比べるかが見えるか。
文章題が苦手な子にとって、図や表は「描けばよい」のではなく、条件を書き込んで初めて意味があるものです。ここを意識するだけで、図と式のつながりがかなり良くなります。
まとめ/次の一手(ToDo 3つ)
- 今日:図や表を描いた問題を1問見返し、「条件が書き込まれているか」をチェックする(10分)。
- 今週:線分図、面積図、表のいずれか1つで、条件を書き込む練習を2問やる(30分)。
- 今月:図を描いた後は、「条件が移せているか」を必ず確認する習慣をつける。
場合分けが必要なのに1通りで押し切ろうとする
文章題でよくある大きな失敗が、場合分けが必要なのに、1通りのまま押し切ってしまうことです。これは、問題文の途中で条件が変わる場面や、場合によって結果が分かれる場面で特に起こりやすいです。
たとえば、次のような問題です。
- 途中で速さが変わる。
- 売買の条件が途中で変わる。
- 場合の数で、条件によって数え方が変わる。
- 図形で、点の位置によって関係が変わる。
このタイプの子は、問題文に「その後」「途中で」「次に」などの言葉があっても、そのまま一続きで考えようとします。そのため、途中で式が合わなくなったり、最後の答えだけズレたりします。
直し方としては、問題文を読んだ段階で**「どこで条件が切り替わるか」を見つけることが先です。そして、場合分けが必要なら、先に場合の名前**を書きます。たとえば、「休憩前/休憩後」「割引前/割引後」のように、具体的な言葉で分けると整理しやすくなります。
場合分けは、難しいテクニックではありません。むしろ、文章題で安定して点を取るための基本動作です。問題を見て「1通りでは無理そうだ」と気づけるようになることが大切です。
まとめ/次の一手(ToDo 3つ)
- 今日:文章題を1問選び、「条件が切り替わる場所」に線を引く(10分)。
- 今週:場合分けが必要な問題を2問選び、場合の名前を先に書いてから解く(30分)。
- 今月:文章題では「1通りで押し切れない問題がある」と意識して読む習慣をつける。
式に急ぎすぎて、図表がただの飾りになる
文章題が苦手な子ほど、式を早く立てようとしがちです。これは本人なりに「算数だから式を書かなければ」と思っているからですが、文章題ではこの急ぎが逆効果になることがあります。
図や表を描いても、その後すぐ式に飛んでしまうと、結局は図や表を使わずに考えているのと同じです。すると、図表は描いているのに、整理の役割を果たさなくなります。
この状態では、次のようなことが起こります。
- 図を描いたのに、その図を見ずに式を作る。
- 表を作ったのに、必要な比較ができていない。
- 線分図や面積図が「描いただけ」で終わる。
直し方としては、図や表を描いた後に**「何が見えるようになったか」**を一言で言わせるのが有効です。たとえば、「どちらが基準か分かった」「途中で条件が変わることが見えた」「割合のかけ算関係が分かった」などです。
図表は、式を書く前の準備ではありますが、ただの通過点ではありません。そこで何が見えるようになったかを確認することで、図や表が本当に整理の道具になります。
まとめ/次の一手(ToDo 3つ)
- 今日:図や表を描いた問題を1問選び、「何が見えるようになったか」を一言で書く(10分)。
- 今週:式を書く前に、図や表を見て説明する時間を1回入れてみる(30分)。
- 今月:図や表は「描いたか」ではなく「使えたか」で確認する習慣をつける。
【次回予告】
第4回では、いよいよ具体的な「図」のお話に入ります。「面積図・線分図・表の違いって?算数の文章題で図表を『ただの飾り』にしない方法」を解説します。
「うちの子の失敗パターン」をプロが的確に見抜きます
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