算数の宿題も直しも一応やっている。解説を読めば「あぁ、なるほど」と納得もしている。なのに、テストで少し数字やひねりが加わると、途端に手が止まってしまう……。
こうした「わかったつもり」の壁にぶつかっている子は非常に多いです。第3回では、学習を「理解」で終わらせず、「得点」へとつなげるための復習の技術について深掘りします。
なぜ解説を読んでも点数が上がらないのか
算数において、解説を読むことは「地図を見ること」に似ています。地図を見れば目的地への行き方は分かりますが、実際に自分の足で歩ける(=自力で解ける)のとは別問題です。
算数で必要なのは、受け身の理解ではなく、自分の手で解法を再構成することです。具体的には、次の「やったつもり」の状態から抜け出す必要があります。
- 解説を読んで納得したが、ノートを閉じると最初の一手が出ない。
- その場で解き直して正解したが、翌日やるとまた間違える。
- 「この前もやった」とは言うが、正答率が上がらない。
「単元」ではなく「止まっている工程」を直す
復習を効率化するために、まずはわが子が「問題を解くどのステップ」でつまずいているかを確認しましょう。算数の問題は、大きく5つの工程でできています。
- 問題文を読む(何が問われているか)
- 条件を整理する(登場人物や数字の関係)
- 図・表・式に落とす(線分図や表などの型)
- 場合分けや計算を進める
- 答えをまとめる(単位や問いへの合致)
たとえば「文章題が苦手」という子でも、実は「条件整理(2)」で止まっている場合と、「計算の整形(4)」で落としている場合では、復習で意識すべきポイントがまったく違います。どこで止まったかを特定するだけで、対策はグッと絞られます。
「点になる直し」3つのルール
復習を「作業」から「実力」に変えるための、具体的な直し方ルールを紹介します。
1. ミスを3つに分類する
直しをする際、ノートの端に以下のどれかをメモしてみてください。
- 【知識不足】公式や解法パターンそのものを知らなかった。
- 【運用ミス】条件整理のモレ、図の書き込み不足、計算ミス。
- 【時間不足】考え方は合っていたが、最後まで届かなかった。
2. 「整理の型」を固定する
問題ごとに解き方がバラバラだと安定しません。「割合なら線分図」「変化があるなら表」というように、自分が最初に使う「武器(図や表)」をあらかじめ決めておきましょう。
3. 「翌日・1週間後」に再演習する
エビングハウスの忘却曲線でも知られる通り、記憶は時間が経つと薄れます。直しをしたその場だけでなく、「1日後」と「1週間後」に白紙から解けるかチェックすることで、初めて型が定着します。
今日からできる「次の一手」
- 今日:間違えた問題を1問選び、「読む・整理・図表・計算」のどこで止まったかを親子で確認する(10分)。
- 今週:解説を読んだ問題を、その日のうちにもう一度「白紙から」解き直してみる(30分)。
- 今月:週末に「今週直した問題」をもう一度確認する時間を30分だけ固定する。
算数は「たくさん解く」ことよりも「深く直す」ことが近道です。一歩ずつ、確実に再現できる問題を増やしていきましょう。
次回、最終回となる第4回は、共働きや忙しい家庭でも算数を継続させる「環境づくりとOSの設計」についてお伝えします。

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